今回、改葬(お墓のお引越し)のため奄美を訪れた。
祖父母、父の姉妹のお墓を、今住んでいる近くに移すためだ。
『生きているうちにお墓をちゃんとしたい』という両親の思いがピークになり、
今のタイミングしかないという時だった。
改葬という言葉もわからないまま、
今 埋葬されているお墓から遺骨を取り出し、新しいお墓に遺骨を納める準備が始まった。
改葬の手順は
1.墓所の管理者、役所、遺骨を取り出す人、関係者等に連絡する。
2.改葬許可申請と再火葬許可書を役所に提出する。(墓所の管理の印鑑必須)
3.遺骨を取り出す。
4.再火葬する。
5.新しい墓地に納骨する。
だった。
本来なら墓じまいという形になるが、親戚の土地に墓石を建てていた為、
墓石は残したままで遺骨(骨壷)のみ取り出すことになった。
取り出す前に、改葬許可申請書や再火葬許可書を提出し、
墓石屋さんに遺骨の取り出しをお願いする。
墓石屋さんが線香や塩、お酒を用意して下さり
(宗教によっては閉眼供養されるところもあるみたいです)
家族と親戚、墓石屋さんで祈りを捧げた後、遺骨を取り出す。
明日の再火葬の打ち合わせをしていると、
親戚の方から「教会で祝別して貰えば」との提案があった。
両親は、新しい墓に入れる時にと考えていた為、
両方(再火葬前と新しいお墓に入れる前)で祝別してもらうというアイデアに心が高鳴った。
取り出した遺骨(骨壷)4体は、明日の再火葬まで、こちらで引き取るものと思っていたが、
墓石屋さんの粋な計らいで、一晩だけ仮にカトリックの共同墓地に安置してもらえることになった。
その安置先に納める時も、取り出す時も、儀式(祈り)をしてから行い、
とても優しい穏やかな空間に心が安らいだ。
次の日、大熊教会で朝6時30分のミサにあずかり、祝別していただいた後、
安置していた共同墓地に遺骨をとりに行き、火葬場へと向かう。
共同墓地から火葬場までは、墓石屋さんも同行して下さる。
前の日、再火葬時に骨壷4体を一つにまとめる時の骨壷は、
新しいものを準備した方がいいのかを聞くと、
新しく用意してもいいし、思い入れがあるからそのまま一つを使う人もいることを聞いていたので、そのまま1つの骨壷を使うことにした。
不要になる3個の骨壷は、自分で処分しないといけなくなるため、
隣にあるクリーンセンターに、墓石屋さんと親戚とで持っていく。
家族で再火葬の見送りをした。
再火葬はあっという間に終わり、家族と親戚で骨を拾って、4体分を一つにまとめる。
あとは持って帰るだけ、少しほっとした。
旅行が終わるまでは遺骨はレンタカーの中かなと思っていると、
宿泊先の親戚が、「そんな大切なものを車の中に入れられんでしょ」と、
家の真ん中の一番いい場所を用意してくれていた。
旅行最終日、父は遺骨を胸に抱き飛行機に搭乗する。
この一代イベントが、親戚や墓石屋さん、教会、役所、火葬場の人々等を通して実現できたことに
感謝の気持ちと温かい気持ちで心が満たされ続けた旅となった。
大切に扱われた(愛された)思い出は、
先祖も私たちも、ずっと心の中に記憶として残っていくものになるだろう。
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