シロアリ駆除とオオタニワタリ

我が家のオオタニワタリ 奄美ルーツの旅

今回の旅の目的、改葬は、無事再火葬までおわりました。

後は、奄美大島を『堪能するぞ』という意気込みをよそに、
台風の影響で、風が強かったり 時折 雨が降ったりとアウトドアの観光にも足止めがかかりました。
両親と伯母たちと一緒に行動する為、
旅が終わってみれば、インドアでも大丈夫な観光が一番いい選択でした。

さながら私は、伯母たちの日常生活と普段抱えている悩み、
島人しまんちゅのかかわりをたっぷり味わうことができました。

人手がいる力仕事、畑仕事、買い物などは、身近に親戚がいてもお互い様にはならず、
何か代わりにしてあげることはできないか精神が旺盛です。
『子供の頃からいっぱいお世話になっているのに』と思ってしまいますが、
常にいまなんですよね。

なので、
体力がなくなって、出来ない力仕事や畑仕事を手伝ってもらった親戚に、
お礼でお金を渡したら、返されたことにショックを受けていたり、
『もう頼めない』という風になる思考が、
お互いを思いすぎていることに傍からみると見えてきます。

そんな経緯から、
空き家になっているもう一人の伯母の家のシロアリ駆除を頼むことができず、
思い煩っていました。そこで頼める人が私になりました。

シロアリ駆除なんてしたこともないので、従兄弟にやり方を指導してもらい、薬をまきます。
従兄弟も空き家になった家を、
取り壊すか、現状を維持するのかわからない状態で、どうすることもできず、
どうしたいか言ってくるのをずっと待っていたそうです。

幼い頃、いつも夏休みに過ごした伯母の家、
楽しかった思い出しかない家に足を踏み入れると、時間だけがすぎた空間のみを残し、
廊下にあった機織り機は、ものの見事に崩れ落ちていて、頑丈だった木がすかすかになっています。
テーブルの脚の下の畳もやられ、クローゼットを開けると入っていた衣類が固まってとれません。
ここにシロアリの巣が作られたのかと思いながら薬を丹念にまき、
密接しているところ、シロアリがとおる通り道であろうところに薬をまいていきました。

作業をしながら私でよかったと思いました。
ここに住んでいた伯母やいとこたちがこの作業をするのは酷だと感じたからです。

何でも、使わないと、空気を通さないと、朽ちていく。
畳も密着している部分は見事にやられていました。

今回は、応急処置だけになりましたが、
いずれこの家もどうしていくか決まり、変わりゆくんだなと感じました。

シロアリ駆除の仕方を従兄弟に教えてもらった時に、
家のまわりには、オオタニワタリがいっぱいありました。
裏には、巨大化したオオタニワタリがあります。
これは貴重なものだと教えてもらいました。

家とは反対に、オオタニワタリが栄えていました。

その植物を従兄弟が、「もって帰りなさい」と何株か渡してくれました。

毎日、自宅のベランダに出る度に、そのオオタニワタリに元気をもらっています。
きっと、すべての思い出と奄美のスピリットが、つまっているからかな。
感謝と愛とパワーを感じずにはいられません。

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